「味私・あじわい」人には目・耳・舌・鼻・皮膚と五感があるように、食にも五味という法則があります。
食物の五味とは酸、苦、甘、辛、鹹(塩辛い)を言い、味の基準となっております。

仏教の中でも、類似した事が例えられております。
万般の現象には、陰陽五行(木・火・土・金・水)という法則がありますが、これら全ての事柄は、それぞれが相互に援助と抑制を行う事を繰り返しながら循環し続け、統合された新しい世界を保ち続ける事柄を示しております。

人と食もまた、それぞれの個性の在り方やそれぞれに基づいた意味があるからこそ、一定のリズム(音階)は生まれ、一巡して円(生命のサイクル)を生み出します。

このように似かよった文化を持つ、人と食とは言葉という語源でも結びついております。
【風情を味わう】【醍醐味】【美味しい】など、このように、人は食を通し味わう事だけではなく言葉の意味さえ受け継がれています。言葉とは人にとっての文化であり、人と味とが均衡を保ち向き合う事を味私(あじわい)とも呼べるでしょう。

広い心の視野を持ち、食と人とがこのような言葉(結び目)に気づきながら味わえる事もまた、皆さまにとっての醍醐味になれば幸いです。




「slowdiet.com」寄稿文章より